第3章 DIOの呪縛
「や…やっぱり帰ります。傷の手当ての上にここまで…」
「いや、ひょっとしたらナイスなアイデアかもしれん」
なんと、ジョセフはホリィの提案に賛成した。
「君を巻き込んでしまった以上、今回のようにまた危険な目に遭うかもしれんからのう。しばらく共に行動した方が賢明かもしれん」
我々スタンド使いと一緒にいた方が安全だ。
そう言われても、先ほど195cmもの大男に迫られて肩もがっしり掴まれ正直ビビったので、由来はジョセフから少し距離を取った。
「確かにそうだ…君が己の身を守れても、何も自分から火中に飛び込むこともなかろう」
アヴドゥルも賛同した。
「だけど……」
由来は中々首を縦に振らない様子で、苦い顔をしていた。
説明に納得しても、他人様に迷惑をかけるのは自分のポリシーに反すると考えていた。
「それか、親の都合か何かあるのかな?」
ジョセフは自分の顎に手を当てて聞いた。
「いえ、両親はいないんです」
「!」
承太郎は由来の発言に察しがついた。
「今は留守なのか?」
「その…何とういうか、家族はいなくて」
「!!」
ジョセフは言葉の意味が分かり、急にあたふたした。
「そうなのか…!す…すまない。ホリィのことは許してやってくれ。まさかまだこんな年頃の若者がご家族を…」
「いえその、亡くしたわけじゃあなくて……」
「?」
承太郎は彼女の辿々しいその態度とその言葉が、少し引っかかった。
由来は言葉を詰まらせながら持ち直す。
「とにかく一人暮らしで、動物を飼っているわけじゃあないので、別に門限はありません」
あ、シロクマのホワイトシャドウは飼っていると言っていいのかな……
でも、これ以上私が長居するわけにはいかない。