第3章 DIOの呪縛
「承太郎がお友達を連れてお泊まりなんて、いつぶりかしら〜。ママ嬉しいわ!」
「ホリィ。今ワシらは大事な話を…」
「また新しいお布団を出さなきゃわね。部屋は日当たりがいい場所の方がいいわね」
難しい年頃になって、あまりコミュニケーションが取れていない息子が、ようやく心開いてくれていると思っている。
ホリィはとても嬉しそうで、その証拠に周りがよく見えてなかった。
歓喜のあまり、彼女はあることを思い付き手を合わせた。
「そうだ!由来ちゃんもうちに泊まればいいじゃない?」
『!』
その底抜けに明るい性格は、時に周りを驚かす。
「え…!いやッ…流石にそれは…迷惑かけます」
大人しかった彼女が急にあたふたし始める。
「うちは平気よ。広い家だから部屋はいくらでもあるわ」
屋敷に自分以外の女の子がいてハイテンションになってるらしく、どうやら本気らしい。
「おい。勝手に話を進めるんじゃあねえよ」
承太郎も声を低くして不機嫌そうに異を唱える。
百歩譲って同じスタンド使いでも、同じ年頃の女が自分の家にいると、彼もさすがに気が引けるだろう。
何より彼女にとっても、さっきまで他人だった人の家に急に泊まることになったら、そりゃ混乱するに決まってる。
「ウフフ…もちろん急なことだし、由来ちゃんのご家族の都合もあるわ。うちは大歓迎だから遠慮しないで。どちらにしろ花京院くんもいるし、今夜の夕食はよりをかけるわ!」
ホリィは夕食の準備をしに、台所へ行った。