第9章 雪辱
夕食の時は本当に慣れなかった。
ジョースターさん、アウドゥルさん、花京院くん、承太郎、ホリィさん、私で計6人。
人数も多い分部屋も広い。どこに目線を置けばいいか置き所に迷った。
唯一私と同じような境遇にいる花京院くんも慣れていないようだった。
『……』
人が作ったご飯なんていつぶりだろう?
そんなことを思いながら、里芋の煮物を口に運んだ。
((え、なにこれめっちゃうま…))
外国生まれとは全く思わせないくらいの腕前だ。
『おいしいです…』
『よかったわ~お口にあって』
ホリィさんは手を合わせてとても嬉しそうに言った。
こっちが黙っていても、ホリィさんやジョースターさんが色々と話かけてきた。
『へぇ~、隣町の女子校に通ってるのね』
『驚いたわい。経緯はどうであれ、承太郎がまさか女の子を連れてくるとはのう』
『フン』
『……』
私はほとんど返事をすることはできず、できたとしても「はい」と一言くらいだ。
あとは頷いたりして、こちらから質問することはなかった。
その後お風呂を頂く時、ホリィさんは「はいこれ。タオル使ってね」と渡してくれた。
タオルからはあたたかく包み込んでくれるお日様のような匂いがした。
『……』
お風呂からあがったら、用意された部屋にある布団に入った。
『……』
両目から熱いものが溢れ出た。