第9章 雪辱
その後は彼と協力して、何とか敵を倒した。
いや、ほとんどが彼のおかげで、むしろ私は助けられた方だ。
彼はその敵を担いで私に言った。
『おい。ここにいるところを見られたら、証人として連行されるかもしれねえ。お前も一緒に来な』
願ってもない話だった。
私も情報が必要だから、この人についていくべきだと思う。
それにこのジョジョと呼ばれる人は、確かにはっきり言った。
『DIO』と。
『その力を再びDIOの為に使う気はないか?』
2年前に違う男が同じ名前を口にしていた。
私はDIOのことを知らなければならない。
2人で学校をふけて、その後ジョースターさんに出会った。
そこで、ホリィさんという女性にも出会った。
太陽のようにあたたかくて、優しい笑顔ができて、子供を愛している母親。
私とは相反する存在だった。
私はその家でDIOの狙いやジョースターさんたちの使命についての話を聞いた。
普通だったら信用できないような話だけど、私は疑う気もなくすぐに信じた。
奇妙なことの十中八九はスタンドだ。
それにDIOのことはとっくに知っていた。
『なぜなら私もその“ディオ・ブランドー”のことを知っている』
『花京院くん…?は何も知らないと思う。正直私もよく分からない…いや、実は私にも“別の”刺客が襲ってきたことがあったんだ。さっきのアンタと同じように』
私も同じような体験をしたことを話した。
ただ1つ。それが、私の命に関わることであることは言わなかった。いや、言えなかった。
あの時は出会ったばかりでまだお互いに信用している訳でもなかったし、言ったらかえって混乱すると思ったから。
色々と話も聞けたところで、もう家に戻るかと思ったら、ホリィさんが思いも寄らないことを口にした。
『そうだ!由来ちゃんもうちに泊まれば?』
『!!』
え、何だって…
花京院くんも同等、今日会ったばかりの人を、そんな信用できるのこの人は?
私とは違って随分明るい性格の持ち主とは思っていたけど、まさかここまでなんて…
その後ジョースターさんたちの後押しもあり、私は承諾することにした。