第9章 雪辱
すると間も無く、保健室内の様子がおかしくなった。
((!))
女医が万年筆を振り回して急に暴れ出した。
『ひいいた…体温計ってせ…先生!そ…それは万年筆です!』
『万年筆?!万年筆ですって!?これが!万年筆に見えるの?』
バッバッ ビュンビュン
保健室にいた他の生徒たちが襲われそうになるところを、またスタンドで助けた。
その男子生徒の前で、再びホワイトシャドウを見せてしまった。
((いや…それより何だこの腕力!女の人の力じゃあない!))
メキメキメキ
万年筆のペン先が頬に食い込んで、血が出てきた。
だけど無闇に攻撃できない。
((奇妙な現象の十中八九はスタンドの仕業だ。ということは、
・・・・・・
もう1人いる))
あの石段然りこの保健室で、彼を狙うかのように次々に奇怪な現象が起きている。まさか、
・・・・・・・・・・・・・
狙われていたのは私じゃなく、
・・・・・・・
あの男子校生か…!
「やあさっきぶり」
窓の辺りから知らない誰かの声が聞こえた。
カーテンで囲まれた保健室のベッドからでは見えない。
『言っただろう、花京院典明。スタンドの名は“法皇の緑”(ハイエロファントグリーン)。私は人間だがあの方に忠誠を誓った。
だから貴様を殺す…と言いたいところだが、まずはその獣の本体に登場してもらおうか』
「!」
ボォフン!
ホワイトシャドウをエタノール消毒液で燃やされたことで、体が炎に包まれた。
「ッ!」
体の炎がカーテンの内側へと燃え移り、敵の思惑にはまってしまった。
敵の一斉攻撃がきて、由来はそれを避けて、ホワイトシャドウの冷却で炎を消した。
そしてその男子生徒に、ようやく自分の姿を現した。