第8章 雪解け
(アイツは誰にも懐かねえタイプだ。なのにアイツがホワイトシャドウを出している時、心なしかソイツの視線を感じる。普段うっとおしいアマ共に振り回されている影響で自意識過剰になってんのとは、断じて違えぜ)
ストレングス戦でも、スタンドであることを忘れて、獰猛そうなホワイトシャドウ落ち着かせようとつい触った。
その時も甘えていた。
「バカな!そんな、ことが……!」
まさかホワイトシャドウの中に、まだ由来の意識が残っているというのか!?
いや、由来の肉体はもぬけの殻も同然!
今のホワイトシャドウのスタンド使いは俺だ。そんなことが…!
承太郎は落ち着かせたホワイトシャドウをくぐり抜け、敵の懐へ正面で入った。
(ッ!!ウォンテ……!)
「遅えぜ」
オラッ!!
ボゴゴンッ!!!
敵は急いでホワイトシャドウを引っ込め、自身のを出そうとしたが、スタープラチナの速さに追いつかなかった。
承太郎はようやく、敵の頭を殴ることができた。
メキメキッ!!
「グアアアッ!!」
ベリ ベリ ウィン
「!」
男の頭からDISCが2枚出てきて、ホワイトシャドウは自然消滅した。
ドクン ドクン
そのDISCから心臓の鼓動音のような音が聞こえてきた。まるで由来の心臓が生きているかのようだ。
(なんだこれは…?さっきは遠かったから分からなかったが、これは……カセットテープか何かか?)
※この時代ではDISCは存在しないが、この物語では“DISC”で通させてもらうことにしよう。