第8章 雪解け
その後に由来の能力を使い出した。
つまり頭を叩き込めば、さっきの妙な奴が出てくるのか?
(……確証はねえが、やるしかねえ…!)
ズンッ!
承太郎は覚悟を決めた。
「何だ?まだやるのか?」
「そっちこそ、
・・・・・・・・・・・・・
後悔する覚悟はあるだろうな?」
承太郎は由来を俵担ぎして、片手をフリーにした。
(片手を使うのか?一体何をするというのだ?)
敵は慎重に観察した。
オォラッ!!
バッコーンッ!!
承太郎は再び氷の地面を殴る衝撃を利用して、滑って敵の元へと行った。
しかし今回は遠回りして真横に行くのではなく、正面だ。
(不意をつく裏をかいたのか?バカめが)
承太郎がホワイトシャドウを傷付けることはないだろうと踏んで、敵は氷の盾を創ることなく、ホワイトシャドウその物を盾にした。
(さあ、どう出る……?!)
ガッ!!
「何!?」
承太郎はスタープラチナを見せず、自分の手でホワイトシャドウを片手で止めた。
(バカな!?何の真似だ?)
ホワイトシャドウにゼロ距離でくっつければ、即凍らされると、お前が一番よく知っているはずだぜえ!!
「凍り殺せ!!ホワイトシャドウッ!!」
クゥ~ン
しかし、承太郎の片手は凍らなかった。
「!」
ホワイトシャドウは敵の命令を聞かず、何故か承太郎の手の平に自分の頭をこすりつけて、甘えていた。
「な、何をしているんだ?!ホワイトシャドウ!!」
敵本体のことなどお構いなしだ。
さらにさっきのような獰猛な目は消え去り、由来が操っているときのような、優しい熊に戻っていた。
「き、貴様!!一体何をした?!」
「何もしてねえ。ただ、てめえが本当にコイツを掌握してんなら、コイツは真っ先に由来を狙うはずだ。しかもさっき噛まれた傷も全然深手じゃあねえ。だから賭けに出た」
承太郎はこの2週間弱で、由来のスタンドで気かがりなことがあった。
スタンドそのものに意思があるようで。
しかも何故か、懐いているのだ。