• テキストサイズ

白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第8章 雪解け



「……」

由来は"力"(ストレングス)の幽霊船にいた時に、確かに言った。

『スタンドとは、使い方次第で善にも悪にもなりうる凶器』だと。

もし由来が、自分のスタンドを本当に癌だと思っているのであれば……
 ・・・・・・・・
(そりゃあ間違いだ)


「……言ったはずだぜ。敵のてめえの言っていることなんざ、一言一句何一つ信じられねえと。本人から聞き出すまでだ」

この敵だけは絶対に逃さねえ。

とはいえ、氷の地面でも身動きが取れねてってのに、下手に動けない。

だが逆に、由来をどこかに置いて戦いに臨んだとしても、それこそ敵の思うつぼだ。


承太郎はポケットにある氷の粒を取り出した。

溶けかかっていて、元の大きさの半分以下しかない。

(これが全部溶けきったら、コイツの命は終わるってわけ、か……)

『氷は溶けません…少なくとも私が生きている限り』

承太郎は由来の言葉を思い出す。

(どうやってホワイトシャドウをくぐり抜け、敵に近付くか。さっきは煙幕を使ったが、同じ手はもう通用しない。やはり、叩くしかないか。どうする…?)


“違う。スタンドを狙うんじゃあない。敵本体の頭を狙うんだ”


「!」

突然、誰かの声が聞こえた。

(何…?!)

周りを見渡しても、声の主らしき者がいない。

敵の者でも、ましてや由来の物でもない。知らない男の声だ。

(誰なんだ今のは?しかも、
・・・・
頭を狙えだと?)

承太郎は言葉のスイッチを入れられたように、ピンと来た。

(そういや、敵は自分の頭に何か妙なモンを入れていた…!)

/ 443ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp