第8章 雪解け
あの慎重派の承太郎が頑なに疑おうとしないのに対し、敵は予想外で内心慌てていた。
(まさか由来の奴…承太郎を誘惑でもしたのか?それで承太郎はたらし込まれたのか?)
承太郎は全く渡す気はないらしい。なら…仕方ない……
男は2枚のDISCを自分の頭に突っ込んだ。
(何だあれは…?)
「正直なあ承太郎。てめーにはぜってー勝てねーと思ってたんだ。だからポルナレフの復讐心を利用して、おめーらジョースターをバラバラにさせて、由来を独りにさせたんだ」
「なんだと…?」
「だが想定外で、お前は来ちまった。だがよ……」
ムォ~ン
「!」
男の周りに妙な雰囲気が漂った。
「おめーに
・・
これを倒すことができるかッ?!」
貴様にとってその女が守るべき存在なら、俺は
・・・・・
ついている。
シュゥンッ!!
「!」
ビュウオォォォ!!!
男の周りに強い冷風が吹き荒れ、承太郎は腕でガードした。
・・・・
(こ、この冷風…まさか!)
風が止み、再び男を見た瞬間、背筋が凍った。
「てめえ…!なぜ、
・・・
それを!!」
グアァァ……
ホワイトシャドウが白い息を吐いてこちらを鋭い目つきで睨んでいた。
察しのいい承太郎はすぐに悟った。
本体の由来は息絶えているのに、いるはずのないソイツは、敵スタンドになっていた。