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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第8章 雪解け



承太郎は由来を地面に下ろすことはなく、再び抱き抱えた。

敵の狙いが彼女だと今分かった以上、戦闘中だろうと手放すわけにはいかない。

安全な場所に彼女を置いて戦いに挑んでも、戦闘など二の次で隙をついていち早く奪いに来るに違いない。

本体である自分の手が空いていないとしても、スタープラチナの手は空いている。戦える。

「真実を認めたくなくて聞かないフリもしたのか?だったらもう一度言ってやる。ソイツは元々DIO様の物で、お前たちをずっと騙し……」

「それを俺が知ったところで、コイツが今まで俺たちにしてくれた事実が変わるのか?」

イラッ

話を遮られて、男は癪に障った。

承太郎も由来も、相手の話を遮ることで嫌な気分にさせることが上手らしい。

「コイツをてめえらなんかに渡すわけにはいかねえ。たとえ死んでいてもな」

承太郎は最初から由来を渡す気などなかった。

理由がどうであれ、由来がDIOにとって危惧すべき存在であることは最初から知っている。

それに今まで由来には何度も助けてもらった。

もし彼女がいなかったら、きっとインドまでたどり着けなかった。

彼女のお人好しは、紛れもない真実だ。

もし、昔DIOと繋がりがあることを隠していたとしたら、きっと何かしらの事情を抱えていたに違いない。

正直、もし仲間だと信じ込ませる演技だったとしても、1度くらいは騙されてもいいと思った。

それぐらい彼女とは、旅を通して色んなことを経験した。

そんな奴の亡骸を敵の手に渡るわけにはいかない。

彼女を帰すのはDIOの元ではない。生まれ故郷の日本だ。

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