第8章 雪解け
「!」
「その女は元々、DIO様の元にいた俺たちの仲間だった。俺はソイツを殺してでも回収しろと命じられただけだ。むしろ死んだ方がお前たちにとって良かったと思うぜ。仲間と偽りながら、何しでかすか分からねえからな」
「……」
承太郎は険しい顔を男に向けたままで何も口にしない。
男は勝ち誇るような笑みをした。
(これは事実だ。由来は承太郎に失望され、承太郎が死体を置けば俺の勝ちだ。あと一押しだ…)
「それとな承太郎。お前にいいこと教えてやる。今、ポルナレフは花京院と一緒に、敵である吊られた男とその相棒相手に奮戦しているぜ。
・・・・・・・
まだ生きているそっちを助けに行った方が賢明じゃあねえか?そんな裏切り者を、しかも死んじまった奴を庇って何になる?何も残らねえ。むしろこれ以上失わないために、行動すべきだ」
男は敵であるにも関わらず、まるで承太郎に諭して説得をするような言い回しをした。
承太郎の手元にある由来の死体を指差した。
「今のお前に興味はねー。ソイツを置いてけば、お前を見逃すがどうだ?悪くない話だろう?」
「……」
承太郎は屈んで、由来を下に下ろそうとする。
(フッ。やはりそうなるよなあ…!!)
男はスタンドを出して、由来に狙いを定めた。
「てめえらの狙いがコイツならなおさら渡せねえな」
!!
承太郎は彼女を下に置くのを寸止めした。下ろすフリをしたのだった。