第3章 DIOの呪縛
「はい。じゃあ次は由来ちゃんの番ね!」
由来はゆっくりホリィのそばに来てしゃがんだ。
「女の子の顔に傷がついちゃうなんて大変だったわね…早く治るといいわね」
「は…はい…」
傷口を消毒してからガーゼを貼ってもらった。
花京院と同じように、優しくされることに落ち着かない様子であった。
「傷口は痛くない?」
「いえ…大丈夫です」
由来はチラッと目の前の承太郎を見た。
「?」
(スタンド攻撃をまともに食らって、私よりも重傷なのに、何故平気なんだ…?)
ジョセフはふと提案した。
「由来と言ったかな?しばらくこの家にいるといい。何があったのか詳しく聞きたいしの。いいじゃろ?ホリィ」
「ええもちろん!うちはいつでも大歓迎よ。
取りあえず私は花京院くんの両親にお泊まりのことでご連絡しなくちゃ。花京院くんも来てくれる?あなたからも一応ご両親に話した方がいいわ」
「はい。ありがとうございます」
ホリィと花京院が部屋から出て、室内にいるのは承太郎、ジョセフ、アヴドゥル、そして由来の4人となった。
「さてと、詳しく話を聞きたいがよろしいかな?キュートなレディー」
ジョセフはやけに紳士振って、笑顔で少女に接する。彼が言うとナンパのようにも聞こえてしまうが…
由来は自分がスタンドのことで問い詰められることは予測していて、黙って頷いた。
最後の呼称は予想外ではあったが。
「君が通りすがりのスタンド使いなのは分かった。まずは自己紹介をしよう。わしはジョセフ・ジョースター」
(ジョースター?どこかで聞いたような…)
「そしてもう知ってると思うが、コイツがわしの孫の承太郎じゃ」
「ふん」
「私はモハメド・アヴドゥル。君と同じスタンド使いだ」
ジョセフに続き名乗ったアヴドゥルは、さっきから気になることがあった。
(何だ…この少女から感じる異様なオーラは?)
彼は自分の職業柄でもあって、世界中のあらゆるスタンド使いの噂や実際にこの目で見てきた。
ので、彼女を一目見ただけですぐそれだと分かった。
(…あらゆるスタンド使いを見てきた私だが、この少女…承太郎とは違う強力なスタンドパワーを感じる)
そしてその強さに隠れ潜んでる妙な違和感。うまく言い表せないが、これは…