第7章 敵の的
(やっぱり、真の本体はこの子で、2年前会った化け物スタンドの使い手の男は、操り人形の無関係者だったのか!)
用済みになって列車で殺したのか。この子が。
「一片でこの威力。お姉ちゃんの元の能力がどれほどのものだったか。DIO様が惹かれる理由が分かる気がするよ!」
インディラが治ったあんよでこちらに走って向かってきた。
それに対し、由来は水溜まりの水を手で汲んで氷の塊にして投げた。
サッ!
しかしインディラはスタンドの腕で弾き飛ばして、由来の懐に一発かました。
「ガッ…!」
しかし由来は、ただやられるだけじゃなかった。
あえて敵を自分に接触させることで、スタンドをゼロ距離で凍らせようとした。
(今だ…!)
ホワイトシャドウは口を開けた。
しかし、
ガシッ!!
「!!」
敵の化け物スタンドが、ホワイトシャドウの首を締めた。
「な…に…?!」
「そうくると思っていたよ。アナタのスタンド、ホワイトシャドウには射程距離がある。その中にいる限り、氷結で一瞬で凍らせて動きを封じることができる」
グッ!
さらに首を締め付けて、由来は首を掴まれたまま足が地面から離れた。
「だけど、たとえ射程距離内にいたとしても、1つだけ氷結を食らわない方法がある。それは、
冷気の入り口であるホワイトシャドウの喉を閉めることだよ」
「!!」
由来にとって恐れていたことが起こった。
自分のスタンドの弱点を、知られてしまった。
ホワイトシャドウの冷気は、口から発するもの。
敵の言う通り、口を閉じられたら冷気を出せなくなり、能力が使えなくなる。
しかも呼吸もできなくなって、この状況はかなり不利だ。
「グッ…!」
由来は首を締められて、確かに絶体絶命だった。
しかし脳裏であることが腑に落ちなかった。
(おかしい…私を殺すなら、この腕の力をさらに強めて窒息死させるはず。なのに、あえて手加減している…!)
敵の化け物スタンドの力は、前回とは違って相当ある。パワー型だ。
私の氷の能力とは別で、それなりの力があるはず。
・・・・・・・
(なのに何ですぐ殺さないの?)