第3章 DIOの呪縛
「あらごめんなさい先に言うことが。私は承太郎の母のホリィよ。あなたは…」
「こちらこそ…兎神由来です。どこから説明すればいいか…何というか…あなたの息子さんと人命救助をした者です」
本当は真逆で、気絶させるほどの大けがを負わせた共犯なのに、もっとましな言い方はなかったのか。
「由来ちゃんね。こんな可愛いらしい子がうちに来るなんて思いもしなかったわ」
それはそうだ。特にうっとうしい女が嫌いな承太郎が一番そんなことをしなさそうなのに。
ホリィはますます驚く。そして彼女自身も。
(関係者とはいえまさか…「ついて来い」なんて)
こんな大きな家に…
同い年のスタンド使いに2人も出会った
あの承太郎という男がここに来る途中教えてくれたが、身内にもスタンド使いがいるらしい
そして決定的なのが、保健室で『DIO』と言っていた…
(偶然…か?)
「ちょっと待ってて。今救急箱取ってくるわ」
由来は自分の傷を忘れてたくらい、考え込んでいた。
「いえ、あのケガ人の方を優先にしてください。あとで持ってきてください。失礼します」
またお辞儀をして、承太郎のあとを追った。
ホリィは洗濯物を急いで終わらせようと取り掛かった。
(少し安心したわ。承太郎が女の子と…それにケガの心配もしていて…)
(ここ…?)
由来は和室の障子から顔を出すと、そこには先ほどの承太郎と大の大人2人がいた。
気絶している花京院の容態を見ているところだった。
「あの…」
(意外ッ!女の子だと…!)
ちょうど承太郎から話を聞いたジョセフは衝撃を受けた。
その人が女だとは言われてなく。
「じょ…承太郎から話は聞いた。助けてくれてありがとう」
いや、助けられたのはこっちの方だが…
「1つ確認したいが、君は承太郎がスタンド使いだと初めから知ってたのか?」
「い…いえ、偶然です。もちろんそこの花京院って人も知らなかったです」
嘘をついてはなさそうだ。
(…どうやら考えてることは同じらしいな)
1日で2人のスタンド使いに出会うとは、
・・
そんな偶然あるだろうか…と
しかも俺からすれば、発現したばかりの登校初日で
「分かった。取りあえずこの少年のことで今分かったことがある」
ジョセフは本題へ入った。