第3章 DIOの呪縛
〈空條家 屋敷〉
天気が良く気持ちもいいお昼、承太郎の母 ホリィは鼻歌を歌いながら洗濯物を干していた。
ピッキィィ~ン
「ハッ!」
急に作業してる手を止めた。何を感じ取ったのかというと、
「今承太郎ったら学校であたしのこと考えてる!今 息子と心が通じ合った感覚があったわ~」
承太郎の写真を抱えてすごく嬉しがっている。朝も息子に呆れらるほどのデレデレっぷりである。
「考えてねーよ」
「きゃあああああ!じょ……承太郎!」
その息子は、学校ではなくすぐそこにいた。
驚いて写真を落とし、息子の肩に血が滴っている男がいて、さらに驚く。
「が……学校はどうしたの?そ……それにその人は……!」
ホリィは、承太郎の後ろにもう1人誰かがいることに気付き、覗いてみた。
「あら……!」
そこには、承太郎と同じ高校生の、しかも女の子がポツンと立っていた。
「承太郎…その娘は……?」
(承太郎の高校の制服じゃないわ…同級生じゃないのかしら?)
女子高生はペコリと控えめに小さくお辞儀し、承太郎は後ろをチラと見た。
「コイツの手当てを頼む。頬をケガしている。俺はジジイを探している。広い屋敷は探すのに苦労するぜ」
「おじいちゃんなら茶室にいると思うわ。アヴドゥルさんと一緒に」
承太郎は行ってしまい、ホリィは知らない女子高生と2人になった。
「えっと…アナタ。ひょっとして承太郎のかの…」
「いや違います」
女子高生は言い切られる前にズバッと言った。
「ああ、もしかしてケガをしてた子の…」
「それも違います」
ホリィは初対面の上、この屋敷にいることに少し困惑していた。
が、それ以上に何だかワクワクもしていた。
「すみません。勝手におじゃまして」
「いえ、でもビックリしたわ。承太郎がまさか女の子を連れてくるなんて。あの子は私に話してくれない時もあるけど、本当は心の優しい子なのよ……」
「おい」
承太郎は少し離れた所からホリィを呼んできた。今の会話が聞こえてしまったのか。
「今朝はあまり顔色がよくねーぜ。元気か?」
ホリィはまた満面の笑みを浮かべた。
「イエ~イ!ファイン!サンキュー!」
「フン」
母親の元気な姿を確認し、承太郎は先に行ってしまった。
「……」
由来はその様子を、何かを思いながらじっと見つめていた。