第7章 敵の的
「ハァ?こんな気候でか?張り合いたくても、もっとマシな嘘付け。それか暑さで幻覚でも見たんじゃあねーか?」
「嘘じゃねーって」
男は外国人の喧嘩とは、反対の方向に指をさしていた。
もし男の言ってることが本当なら、間違いなく由来のスタンド能力だ。
スタンド能力を使うということは、敵と遭遇した可能性が高い。
「!」
承太郎は道路わきらへんに、氷の粒が転がっているのを発見した。
(これはアイツの……!)
承太郎はそれを学ランのポケットにしまい、談話をしている男たちのテーブルにバンッと手を置いた。
『!』
・・
「おい!それをどこで見た!?」
承太郎が聞いたのは…
〈荒野〉
氷結と氷結の粉砕で、一面が冬景色へと変化した。
インドの照つく太陽が、じわじわ辺りの氷を溶かしていく。
「ハァ…ハァ……」
「さすが持ち主なだけあるね。
・・・・・・・
たった一枚でも、まだそんな力が残ってるなんて」
由来は息があがっているのに、インディラは余裕でニコニコしていた。
「…アヴドゥルさんとポルナレフさんは…どこにいるの?」
「ここにはいないよ。ていうか、もっと先に聞きたいことがあるんじゃあないの?たとえば、
・・・・・・・
騙していたのか?なんてね」
昨日のレストランで、インディラは走れなくなった可哀想な子供として、由来に接触した。
そしてピアノを通じて楽しい時を過ごした。
それが今では、命を懸けた残酷な時を過ごしている。
「……君がそうして私の動揺を誘ってるのは目に見えているよ。だから私はあえて驚きはしない」
「ふーん。じゃあ他の質問で、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何でお前がそのスタンドを持ってるんだ?とかは?」
「……」
由来はインディラの後ろで構えているスタンドを再度確認した。
2年前私を襲撃した化け物スタンドで、間違いない。
そして1つあり得ないことが、彼女の言う通り、そのスタンドの本体が、2年前のあの男からインディラに変わっていることだった。
「…だったら簡単な話じゃあないか。君があの男に自分のスタンドを憑けて操っていた。そして用済みになって殺して、私に挑発するためにあの列車で捨てた。そう考えれば辻褄は合う」
「へぇ~、私があの男を?」