第7章 敵の的
「プッチ…?」
聞いたこともない名前だ。
それよりも、体が言うことを聞かない。
確か私はあの時、路地裏で人を助けようとして……
「あの人は、あの人はどこにやったの?!」
「こんな状況で人の心配とは。ますます別人だな。だが教えてやろう。あれは我らが友の、DIOの糧となるものだ。今頃彼の元にいる」
(DIOだと……)
「さて、お前の質問には答えたぞ。今度は私の質問に答えてもらおうか。由来」
プッチは跪いている由来のそばによって、手をさしのべた。
「その力を再びDIOの為に使う気はないか?」
「!」
「なぜ一度姿を消した君がこんな地で彷徨っているのか。その記憶の矛盾。諸々含めて君に興味がある。DIOも君が帰還することを強く願っているはずだ」
姿を消した?帰還?
本当に何を言っているんだ。この男は?
私は震えた足で何とか立ち上がり距離を取った。
「何を再び訳の分からないことを言っているのかな?アンタの物とは別の、あの時の“もう一つの化け物スタンド”も、訳の分からないことを言っていたけど」
「……これは最後の警告だ。私と共に来い。提案ではなく命令だ。お前の答えに期待して、私はお前をこうして
・・・・・・・・・
生かしているのだぞ」
「!」
この男、さっき私のことを、
・・・・・
死んでいたと言っていたが、どういうことだ?
あの時私は、確か“頭”を触られてその後は……くそ、思い出せない。
「要するに、アナタの仲間になれと?」
「そういうことだ」
この男、さっきから私のことを知ったような口だが、何も分かってない。
私は私のスタンドを、そんな訳の分からないことに使うわけにはいかないんだ。
“あの人”の教えのためにも…
「断る」
「そうか。なら…仕方ないな」
!!
プッチのスタンドがすでに私の背後の方の壁に張り付いていた。
「ホワイトシャドウ!」
すぐさま氷結したが、敵は私の手の内を知っているかのように氷結をあっさりかわし、ホワイトシャドウの首を絞めた。
「な…に…!?」
・・・
初見でこの攻撃をかわせるはずがない。何で…
本体の私も首を絞められ、動きを封じられた。
ガッ!
敵スタンドの手刀が私の頭を触れて、頭からDISCが数枚出てきて、1枚を残して全て抜き取られた。