第7章 敵の的
「とにかく、敵の目的は、アナタたちジョースターの血統を抹殺すること。それにアナタには
・・・・・・・・・・・・
ちゃんとあるじゃあないか……」
「ん?何の話だ?」
「承太郎!!」
『!』
花京院が階段を駆け上がり息を切らせた。
いつも冷静なのに、こんなに慌てるのは初めて見た。
「どうした?」
「ハァ、あ、アヴドゥルさんが…ハァ、ポルナレフを…助けに行った」
『!!』
承太郎と由来は花京院と共に下のジョセフと合流して、急いで外に出た。
雨はもうあがっており、水たまりがあちこちに出来ていた。
(水たまり…)
由来は何かを案じた。
「ジョースターさん!この人の多いインドで、人探しなんて。砂漠の中でビーズ1つ探すようなものです!どうしますか?!」
「落ち着け。いや、この状況は相当マズいな。敵のスタンドがワシとアヴドゥルの目の前に現れて、“ポルナレフを殺す。助けたかったらすぐ表に出ろ”と脅して来よった!」
「!」
承太郎が由来の様子を見に行って10分が経過した後、遅いと感じた花京院も行った。
ダイニングテーブルにはジョセフとアヴドゥルが残っていて、そこに急に敵のスタンドが現れた。
“ポルナレフは、俺の仲間が始末しようとしている。助けたければ付いてこい”
それを聞いたアヴドゥルは、罠とも疑わずとっさにそのスタンドの後を追いかけて、外へ消えてしまった。
スタンドだけでなく性格もすぐに熱くなる。
(もし敵が言ったことが本当なら、我々はすぐ彼らの居場所を突き止めなければならない。しかし……)
悩みに悩んだジョセフは、ある決断をする。
「ここからは、分かれて2人を探すぞ」
『!』
この人の多い中で、大人数では身動きも取れない。
なら分かれて広範囲を探して、彼らを見つけることができる可能性を上げることが上策だと判断した。
「おいじじい。それじゃあ敵の思うつぼじゃあねえのか?アヴドゥルもとっくに敵の思惑にハマったんだろ」
「ああ。そこで花京院には常にハイエロファントで上空高くから皆のことを見てほしい。誰かが2人を早く見つけられたら他の者に伝達するのと、それか花京院自身が見つけたらハイエロファントで皆を探して伝えてくれ」
「わ、分かりました」