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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第7章 敵の的



「え?そんなに冷たい?」

「シャワー上がりなら、服の上から分かるくらいこんなに冷えてのはおかしいだろ」

承太郎はまるで、兎に狙いを定めた蛇のようで、全く引き下がらない。

これは、何が何でも聞き出す気だ。やると決めたら必ずやる。

ごまかしは通用しない。

「さっき…ドアを凍らせたとき…加減を間違えたんじゃ…ないかな?」

声が段々と小さくか細くなった。

「……」

承太郎は無口でずっと由来を見下ろしていた。

195cmの大男に狙いを定められると、金縛りにあってるような気分になる。

(た、食べられるかな…?)

無言の圧と195cmの大きな影に覆われて、そんな馬鹿げたことを思った。

まさに、蛇に食われそうな兎みたいに。


「ちょいと袖まくって腕見せてみろ」

承太郎はそのまま由来のブレザーの袖に手をかけようとした。

「ダメッ!」

由来は明らかに焦った様子で拒み、距離を取った。

「そんな声を荒げるとは、てめえらしくはねえな」

「……」

由来は目をそらした。

「そんなに拒むってことは、やっぱりそうか…」
 ・・・・
「やっぱり?どういうこと?」

由来は以前も思ったことがある。

『承太郎の勘の良さは、仲間としてとても頼れる。だが、時にそれは心を見透かすほどの脅威になりうる』

だから彼女は、実は“あの言葉”を言われてから、承太郎と接触することを避けていた。


『力不足?力を“奪われた”と違うか?』


自分のホワイト・シャドウの秘密。2年前の出来事。

それは自分個人の問題であって、この旅には直接関係がないから、教える必要がなかった。

だけど、
・・・・・・・・・・・・・・
よりによってこのタイミングで、承太郎に勘付かれてしまった。

「…昨日、俺たちが泊まるはずだった宿にあった変死体。あの腕に変わった刺青があったのを、お前も見たはずだ」

「……」

「そして俺はさっき、お前の部屋で偶然見つけた新聞の記事の写真を見た。驚いたぜ」

承太郎の手には、部屋のベッドに置きっぱなしにしてあるはずの新聞が。

(いつの間に…!)


「何で俺たちが乗った列車で発見された死体の
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
腕にも、ソイツと同じ刺青があったんだ?」

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