第7章 敵の的
とあるノスタルジアⅠ
「シロ?君のスタンドの名前?まるで犬じゃあないか」
「なら、これから“白の陰影”(ホワイトシャドウ)ってのはどうだい?君のスタンドの新しい名前だ」
「え?気に入らないって?何でそんなことをするかって?」
「そんな嫌な顔しないでくれよ。これでも、3時間くらい考えてきたんだから」
「……いいかい。君はこれから僕と暮らすことになる。それと同時に、僕は君にスタンドの使い方を教えるつもりだ」
「今までとは環境も考え方も大きく変わるだろう。だからその切り替えで、新しい名前もありだと思うんだ僕は」
「“陰影”に込められた意味?そうだな…」
「まずは分かりやすいだろう?スタンドっていうのは、人の影みたいに切り離されることもなく、同じような動きもする。いわば、“もう一つの君”みたいな存在だ」
「君の場合、“白”いクマの“影”だからピッタリだと思うよ」
「……君がこの“影”で、今まで辛い思いをしてきたのは知っている。これが今までもそしてこれからの君の人生の暗雲になり得ることも」
「だけどね、たとえ辛い思いをしてきても、それをこれからの人生を諦める理由にしては、絶対いけないんだ」
「これからの君の運命を決めるのは、君の周りの環境や、ましてや君のスタンドでもない」
「君自身だ」
「君がこの先、自分の力で生きていけるようになるまで、僕は全力でサポートするよ。人生の先輩としては、まだ未熟者だけどね」
「他にもこの名前にした理由はあるさ。それはね……」