第6章 忍び寄る“影”(敵)
“感謝、だと?ならお前たちも俺にすべきだ。ジョースター共がいた居場所のレストランを特定したのは俺だ。だからJ・ガイルがポルナレフに襲撃できたんだろう?あぁ?”
メイと呼ばれる者は不機嫌そうな声を出した。
「それもそうだな。邪魔者扱いして悪かったな。ただ俺たちのコンビの調子を乱さなければ問題ねえんだ」
“だったら、てめえらはそのコンビとやらで独りのポルナレフをかなりド派手に追い詰めろ”
一般人を巻き込むほどの大騒動を引き起こせば、他の仲間は異変に気付き、そっちに行く。
そして由来には特殊な手工でおびき寄せて、必ずや我がスタンドで…
「なあ。その由来って小娘は以前は、DIO様のお気に入りだった凄腕のスタンド使いと聞いたが、それがどうやって転んでジョースター共に寝返るんだ?」
J・ガイルは不気味な笑みを浮かべて、ソイツに問いただす。
自分の母親、エンヤ婆が同じようなセリフを吐いて地団駄を踏んでいるのを、この目で何度も見ていたから、少し気になっていた。
“今回アイツを狙うのは、それを知るためでもある。更に訂正を付け加えるなら、今でもDIO様は奴を気に入られている。裏切られたというのに何と寛容な方だ。
何にせよ俺のやることは変わらん。お迎えにあがるだけだ。痛みと死という罰を与えてな”
そのどす黒い悪のオーラに、ホル・ホースはフフと笑った。
ヌルゥ
悪の密会中に、J・ガイルのそばに蛇が現れ、襲いかかった。
ウッシャア
ホル・ホースは右手首の裏から滑らせるように、拳銃を出した。
メギャン
ドッ ゴンオオオン
蛇の頭を狙って撃ち、見事に当たり蛇は首と胴体で真っ二つになった。
ギャース
今度はJ・ガイルの足下においてあった酒瓶に蛇が映り、そこにJ・ガイルのスタンドが現れ、蛇の頭をミンチになるまで切り刻んだ。
ズバババ
スッ
ザ!
蛇退治が終わったところで、J・ガイルは立ち上がり、ホル・ホースは象から降りた。
「行くか。『吊られた男(ハングドマン)』のおまえと『皇帝(エンペラー)』のこのホル・ホースがいれば、やつらはみな殺しだぜ」
そして“ソイツ”は、ホル・ホースの足元に来た。
「てめえの仕事には手を出さねえ。だからこっちのことにも出すなよ。お互いベストにな」
“……”
由来。必ずお前を……