• テキストサイズ

白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第6章 忍び寄る“影”(敵)



「何じゃと…?」

「その、できれば1人で…」

由来はジョセフに単独行動する許可を求めた。

前回は勝手に行ってしまったが、今回は許しを得ようとしている。

「まさか、説得するためか?」

「……」

あの由来が、まさか自分から…

それほどさっきのケンカが嫌だったのか


アヴドゥルはさっきの激情した態度から冷静になった。

「敵は私たちの素性を把握済みだ。私や君自身が言ったことだぞ」

「承知しています。しかし、こんな別れ方…後味が悪すぎます」

“腰抜け”。“幻滅した”。

共に旅をした仲間だったのに、明らかに決裂してしまった。

「敵に、別れを言う余裕もないほど窮地に追いやられたわけでもないのに、仲間同士でこんな別れ方はないです」

「……」

「説得出来るかは分かりません。でも、せめて最後に一言だけ…」

仲間とのコミュニケーションも好まない由来。

そんな彼女が、仲間のためにできることをしたいと思っていた。

「彼がどこに行ったのか見当はつくので、大丈夫です」

今のポルナレフは誰にも耳を貸さない。

でも、可能性があるとすれば、女性で心優しい彼女だ。

「…分かった。気をつけろよ」

「ありがとうございます」

由来はポルナレフの後を追った。

花京院はその後になって気づいた。

(そういえば彼女の目的も、“人捜し”だったな…まさか……)


とある大通りにて、

ポルナレフは物凄い形相で、すれ違う人々の左手を目で追った。

(チッ!どこにいやがる…!)

ポルナレフのそばを通ったほとんどの人が、彼の周りに漂う怒りのオーラにぎょっとした。

「ポルナレフさん!」

聞き覚えのある声が自分の名を呼んだ。

ポルナレフが後ろを向くと、そこには由来が立っていた。

「由来!お前どうしてここが分かって…」

「アナタはレストランで何も口にしてないので、空腹のはずです。そして、この大通りには、屋台がたくさんあると評判です。何より
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ポルナレフさんが船で言っていたことなので、すぐピンと来ました」

ポルナレフはハッとした。


『そんな機嫌を損なうな由来さんよう。インドにはおいしい屋台もたくさんあるらしいぜ』

/ 443ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp