第6章 忍び寄る“影”(敵)
確かに、両手とも右手なんて世界で唯一無二の特徴は非常に目立つから探しやすそうだ。
ポルナレフさんの妹を無残になぶり殺したくらいの外道さを兼ね備えているなら、なおさら見つけやすいかもしれない。
そういう外道な奴は、容姿にもにじみ出るから。
この世界一人口の多いインドなら、目撃情報もあるかもしれない。
(しかしダメだ。独りになっては…!)
さっきも言った。敵は私たちの顔面を知ってるけど、私たちは知らないと
向こうからすれば、私たちは木で例えると果物や巣箱とか付いていて、目立つ
“木を隠すなら森の中”の効果が全くない
シャイな由来が声を振り絞った。
「ぽ、ポルナレフさ…」
「こいつはミイラとりがミイラになるな!」
しかし由来よりも先に、アヴドゥルが先に口を出した。
「ポルナレフ、別行動はゆるさんぞッ!」
「なんだと。おめー俺が負けるとでも!」
「ああ!敵は今!おまえをひとりにするために、わざと攻撃をしかけてきたのがわからんのか!」
アヴドゥルも、敵の読みが分かっていた。
しかし、今のポルナレフはアヴドゥルの忠告を全く聞き入れようとはしない。
自分の道を阻むのなら、誰であろうと許さないと思っていた。
「いいか。ここではっきりさせておく。おれはもともとDIOなんてどうでもいいのさ。ホンコンでおれは復讐のために行動をともにすることわったはずだぜ。ジョースターさんだって承太郎だって、承知のはずだぜ」
ジョセフたちは黙り込んだ。
「おれは最初からひとりさ。ひとりで戦っていたのさ」
由来は思った。
(私も、ポルナレフさんと同じだ…)
別の目的もあって、ジョースターさんと行動している
もし、私がポルナレフさんの立場だったら、同じようなことを言ってたかもしれない…
いや、無断で敵を追っていたかも
彼の言い分も分かる。だから、私からは何も言えない…
「かってな男だ!DIOに洗脳されたのを忘れたのか!DIOが全ての元凶だということを忘れたのかッ!」
「てめーに妹を殺されたオレの気持ちがわかってたまるかッッ!!」
口論は段々とヒートアップしていき、周りの人混みも彼らに注目し始めた。