第2章 スタンド使いの女
ボッゴォーン!
ハイエロファントは空中にふっ飛び、あまりのパワーに、保健室だけでなく校舎内の他の教室の窓も全て砕け散った。
ブアクヮ!
花京院の身体からかなりの量の血が噴出した。
承太郎のスタンドの凄まじいラッシュにより、再起不能になった。
「…な…何てパワーのスタンドだ」
(本当に何てパワーだ…)
スタンド使いの女は、花京院を上回るその強さに絶句した。
「さっきはふいをくらって、ちょいと胸をキズつけただけだ。
ヤワな“スタンド”じゃなくてよかったが、しかしますます凶暴になっていく気がするぜ。危ないところだった」
保健室は無残な有り様になったが、メロンのような敵をようやく倒した。
(やれやれ。朝のゴタゴタからようやく“本体”のおでましか…)
まさか、あのゴツくてデカい白クマの本体が…
ちょうど彼女は、ベッドの上で気絶してる女医の手当てらしきことをしていた。
承太郎からはよく見えなかったが、女は女医に
・・・・・・・・
手をかざしていた。
(コイツ…)
「!」
すぐ後ろに承太郎がいることに気が付いて、女医から手を離して振り返った。
「傷は思ったよりも浅い。私はこの人とは違って医者じゃあないけど、軽い応急処置したから多分大丈夫…だと思う…ょ」
フードを被ってるため、顔がよく見えず今分かったのは声だけ。
女医の顔色を見ると、安らかな表情で寝ていて血も止まってた。
これも、コイツのスタンド能力?
朝俺にやったみたいな冷却をしたのか?
しかし、この保健室内の道具も一切使わずどうやってここまで…?
「てめえは一体…」
ジリリリリ
『!』
校舎内に緊急時用のベルが鳴り響いた。
「何だ!ガス爆発かッ?!」
「保健室の方だ!」
「お前たちは教室から出るな!」
学校の教師たちが騒ぎ始めた。
この状況、一番怪しまれるのは他校生である彼女だ。
承太郎は気絶している花京院を担いだ。
「おい。ここにいるところを見られたら、証人として連行されるかもしれねえ。お前も一緒に来な」
窓の外に出ると、女は黙って付いてきた。
学校の関係者に見つからないように、学校の敷地内を出た。
(DIOの手下と名乗った花京院に敵意を向けられ、それに奴が言ってたことが本当なら……)
やれやれ、少なくともコイツは
敵じゃあねえってことか…