第6章 忍び寄る“影”(敵)
(ただし、目立たない格好をしていればの話だけど…)
このメンバーは最高195cmのビッグな集団。
超圧倒的存在感。
私ならともかく、こんな目立つ人たちが密集していたら2度見する人も少なくない
由来は自分たちのことを若干暗示していた。
ジョセフはチャーイのティーカップを置いた。
「さてと。皆も実感していると思うが、仕掛けてくる敵が段々と抜け目なくなっているのは事実じゃ。恐らく向こうが戦いを積み重ねて、我々の能力を把握しているからじゃろう」
つまり、これからの敵は今まで以上に厄介なスタンドを持っているかもしれないということだ。
「特に由来。お前は2年も前から把握されている。決して注意は怠るな」
「はい。承知の上です」
「……」
承太郎は考えていた。由来に“スタンド”のことを問い詰めるべきかを。
(今この場で聞けば、他の皆にも知られることになる)
まだ確証が持てない話をふりまくのはマズい
単独行動はしない約束だから、勝手に出歩くことはねえだろう
皆がいないときを見計らうか
由来はチャーイを飲み終わり、窓の外を用心深く観察し始めた。
少し落ち着きがないようにも思えた。
「どうした由来?」
「いえ、大したことはないです…」
「何か言いたいことでもあるんじゃあないか?」
「……」
年長者であるジョセフは、この旅を経て由来の性格が分かった。
承太郎と似て、冷静で観察力も人一倍良い
ただそれは生まれついてのスタンド使いで、戦いを積み重ねて、その分経験値も上なのだ
自分も波紋使いとしての戦いの経験があるが、“幽波紋”(スタンド使い)としては1年ほど
スタンド使いにしか分からない、本能のようなものが彼女は強いんだ
しかし何かに勘付いても、何も言わずに独りで行ってしまう
自分の意見を言うことを躊躇っている
理由はなく、ただそういう性格なのだ
そこでジョセフは自分から歩み寄ることで、由来の考えていることを少しでも理解したいと考えた。
「些細なことでも遠慮せず言ってくれ。日本でも言ったように、ワシはお前のことも頼りにしているのだからな」
「……些細なことなんですが…このインドだと、私たちは圧倒的に不利になるかもしれません」
全然些細じゃなかった