第2章 スタンド使いの女
狼狽している内に、花京院は2人の前に余裕の姿勢で立っていた。
「どうだね!エメラルドスプラッシュ。
我が“幽波紋”(スタンド)ハイエロファントグリーンの体液にみえたのは、
・・・・・・・・・・・・・・・
破壊のエネルギーの“像”(ビジョン)。きさまのスタンドの胸をつらぬいた…よってきさま自身の内蔵はズタボロよ」
攻撃を受けた承太郎も受けてない女も、花京院のスタンドの強さを思い知らされた。
花京院は承太郎を嘲笑った。
「己を犠牲にしてまで、名も知らぬスタンド使いを庇うとは愚かな…そしてその女医も」
パーン ドサァ!
『!』
急に、女医の体から血が吹き出した。
「さっき出た時、のど内部あたりに傷をつけたのだ」
非道な行いの花京院に、スタンド使いの女は睨んだ。
「お前は女医を庇うためにさっきのような蛮勇な行動に出たらしいが、結局それは無駄だったというわけだ。結局庇ったところで、誰も助けやしない」
プチッ
花京院の挑発的な言葉が癪に触ったのか、女はまた再び花京院に近づいていく。
「待て…!てめえは、何もするな…!」
「!」
承太郎は女に初めて声をかけ、その足を制した。
(何でこの女が朝方、俺を助けるような真似をしたのか。何故こんなところにいるのか。今はどうでもいい)
何よりも、この落とし前をつけるのは、てめえじゃあねえぜ…!