第2章 スタンド使いの女
ハイエロファントは、体液らしきものを両手にさらに発現させた。
スタンド使いの女は白クマを女医のそばにもっと近づけた。
そして考える。
本体である私を狙うのなら、女医から離れて、スタンドは女医を守るために置いておく。
そして、攻撃を避けながら敵に近付いて、懐を直に叩くしかない。
とは言っても、生身の人間がスタンド攻撃を食らえば死だって容易だ。
・
今の自分では、相手の攻撃を防ぎきれない…が、やるしかない。
「食らえ!我がスタンド、ハイエロファントグリーンの…!」
バッ!
スタンド使いの女は自身のスタンドから離れ、逆に花京院に近付いていく。
が、全く別のスタンドがそれを阻んだ。
「!」
承太郎のスタンドが、ハイエロファントと彼女の間に突如入り込んだ。
(え…?)
「エメラルドスプラッシュ!!」
両手の液体がエメラルドの宝石のようなものに変わって放たれた。
バリュウ!
刹那、承太郎のスタンドの胸が貫かれた。
ボゴン!
「ガハッ!」
承太郎は保健室の扉まで吹き飛ばされた。
(ば、馬鹿な…!)
女はすぐに仰向けで倒れている承太郎の元へ駆け寄った。
見ただけで、かなりのダメージを負ってることが分かる。
(そんな…!どうして……)