第2章 スタンド使いの女
「相手が誰であろうと、貴様らを消すことに変わりない」
花京院はハイエロファントで攻め入った。
しかし女は防御の構えもしなく、スタンドを積雪から出してこない。
「!」
この時、花京院はハッとなった。
何故ならスタンド使いの女の後ろに、あの白クマと背中には人質のあの女医が。
(何!両者いつの間に…)
オラッ!
瞬間、承太郎のスタンドがハイエロファントを捕まえた。
人質をかわして拳を叩き込むにも、ここは狭い空間。
こっちの余裕と向こうの隙さえあればと、承太郎は苦心してたがその心配はもうなくなった。
(やっと捕まえたぜ)
人質も縛るものもない
「こうやって改めて見ると、なるほど。取り付くしか芸のなさそうなゲスなスタンドだぜ」
「クッ!」
形勢逆転。
花京院は承太郎のスタンドに強く押さえ込まれた。
「花京院。これがてめーのスタンドか?緑色で筋があって、まるで光ったメロンだな」
(あのクマ。いつの間に私の目を盗んで!)
人質をこまめに確認してたはずが。それを欺くくらいの速さだと?
あの図体のデカさで、何てスピードだ!
(しかもあのクマは雪で体の熱を覚ましてたはず)
花京院は白クマの体長くらいの大きさの積雪を見た。
(まさか、“これ”はダミー…!)
承太郎を始末するはずが、何故か邪魔してくる謎のスタンドが現れ計画は狂った
この女がいなければ…
承太郎はさらに締め付ける力を強めた。
「ちょいと締め付けさせてもらうぜ。貴様をジジイの所へ連れて行く。お前にとても会いたいだろうよ…おれも…“DIO”という男に興味あるし」
(それに、他にも気になる奴がいるからな)
承太郎は怪我した女医を保護してくれてる謎の女子高生を垣間見た。
「!」
ハイエロファントの様子がおかしいことに気付いた。
「な…なんだ?…やつのスタンドの手から緑色の液体が」
(まずは…あの女を再起不能にする!)
この時、承太郎はハッとした。
花京院のスタンドが自分ではなく、スタンド使いの女に向いていたことに。
「妙な動きをするんじゃあねえ!」
しかし彼女も、自分が標的にされてることを考慮し、瞬時に判断した。
スタンドを攻撃ではなく“防御”に使えと