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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第5章 シンガポールの“暇”(いとま)



由来はびっくりして危うく尻餅がつきそうになった。

195cmほどの大きな体格の人が、いきなりぶつかるほど近距離にいたら、誰でも驚くだろう。

「え…どうしてここに?」

「それは俺のセリフだ。お前はさっき部屋にいたはずだが…」

周りを見渡したが、由来以外誰も見当たらない。

彼女はここまで独断で来たというわけだ。

(まさか、俺を助けに…?)

それかコイツ…


「何で、ここが分かったの?」

「発砲音を頼りに来ただけだ。俺も今さっき敵スタンドと交戦していたところだ」

「…そう」

経緯はともかくいいタイミングだ。

漂流した時ジョセフが言った通り、独断で動くのは敵と戦う可能性とリスクが高まる。

空の明るさから夕方あたりだから、暗くなる前に仲間と合流できて良かった。

「話は後で聞く。今は取りあえず別の場所へ移動するぞ」

ここは人が少ないから、また別の敵に襲われるかもしれない。

一般人もいる街中へ行けば、襲撃されるリスクも減るはず。


承太郎は由来に背を向けた。

その時、


カチャ

(ん?)

後ろから妙な音がして、後ろに振り返ってみた。

なんと由来が、後ろから銃を構えていた。


ゴゴゴゴゴゴ

「てめえ、何のつもりだ?」

聞き返しても返事がない。

こんな状況でも、承太郎はむやみに動かずパニックにもならず冷静でいたが、内心はそうでもなかった。

何度も助けてくれた由来が、全く逆のことをしているのだから。

確実に殺せるように、銃口を頭に向けている。

しかもこの拳銃。さっきの発砲音はまさか…


ゴゴゴゴゴゴゴ






















〈DIOの館〉

DIOは、館の執事を勤めているテレンス・T・ダービーという男とチェスを嗜んでいた。

DIOは100年前、学生時代では法学部で首席を取るほどの秀才。

何より、幼少期の時は貧民街で父の酒代を手に入れるために大人相手に何度も対戦してきたから、とても強かった。

ゲームの秀才であるダービーさえ苦戦するほどに。

「失礼ながら意外でした。DIO様が私にこのような命を下すとは」

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