第6章 【ご 雛鳥、白の人達と出会う】
ピリピリとした雰囲気を纏いながら、蒼い鳥は私の舟へと舞い降りた。と同時に、一瞬にして蒼い焔が全身を覆い隠していく。
思わずコク、と息を飲んだ。
なんて美しくて、神秘的な光景なんだろう。
もちろん、お父様の美しさには劣るけれど。
覆っていた焔が徐々に消えていき、その先から肌色が覗く。
まるで羽化するかの様な光景の後に佇んでいたのは、1人の男性だった。
「ぱい……ふごっ」
「おおっ! マルコ! わりぃ!」
突然手で口を塞がれた。
何するの!?とエースの方を睨みつけるも、やけに焦った様子で。なんとなく、大人しくしてみる。
まあ、確かに初対面でパイナップルはまずいか。
失礼だわ、止めてくれてありがと、エースさん。
「……ったく、ちんたらしやがって……で、その女は誰だよい」
鋭い瞳で射抜かれて、反射的に背筋が伸びた。
威圧する様な、見定める様な視線は酷く居心地が悪い。
でも私は、何もやましいことなんかない。だから。
じっとエースの瞳を見つめる。
考えていることが伝わったのか、すんなりと手を外してくれた。
「………………」
お互い無言で見つめ合う。
男女と言えど、甘いものじゃないよ?
もっと張り詰めた、刺々しい雰囲気のもの。