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じゃあ、またあとで 前編 越前リョーマR18

第1章 出会い











振り返ったら、アイツがいた。

生意気そうで中学生とは思えないような強い、強い、眼差しだった。

一瞬で、私の目を釘付けにしたアイツ。

アイツから、目を離すことがまるで許されなかったかのように。

アイツの表現は、いつも自身満々で

私を夢中にさせた。



今でも、ずっと………………











なんとなく通った道。いつもは違う道から帰るのに、今日はなんとなくこの道を通った。

別に深い意味があったのではなくて。

ただ足を進めるうちに、この道に入っていた。




「ああ…………今日も疲れた……」



長い一日を終えて、は一人帰宅中。

なんとなく遠回りをしてしまったから、まだ自宅までは距離があると思い、バッグからウォークマンを取り出し耳につけようとしたとき。


スパーン



何かをはじく音がした。

この音。

「テニス!?テニスの音がする!」

は走って、音がするほうへ進む。

にとって今、一番興味のあること。

テニス。

今、夢中になって読んでいる漫画がテニス漫画で。

その主人公にどうしようもないくらいハマっていて。

「うう、どこだろう……どこから聞こえてくるんだろう……」

あたりをキョロキョロ見回して、音にも耳を済ませる。

高鳴る鼓動、期待が湧き上がる。

近づいてくるボールを打ち付ける音。

「あ!あそこだ!」

上に大きな道路が走る、その下で壁を相手に打っている誰か。

はもう一度走って、その場所に近づいた。

その人物が気付いた様子は感じられず、ひたすらボールを打ちつづけている。

さらっとした、彼の髪の毛は踊るように揺れていて。

「あの髪型似てるなあ……」

覗くように見ながら、呟いたとき突然振返られた。
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