【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第6章 Meadow Saffron -危険な美しさ-
「…彼女の言っていたことは本当だったんですね」
「あまり驚かれないのですね?」
ベラードは不思議そうに私を見つめる。
「えぇ。父と母の関係は…私から見ても冷め切っていたことは明白。父が別の女性をつくっていたとしても、おかしくはありませんし…後継ぎとなる男児を産ませたかったのでしょうし」
シュピールツォイク家と会社を継ぐのは、女ではなく男。
このご時世、女性でも社長や当主の椅子に座ってる人はごまんといる。
しかし、私の家でそれは許されなかった。
どうやら、一度女性が当主になったことがあったらしいが、当時は不況だったらしく経営もうまくいかず、その上事あるごとに不祥事まで多発したとか。
それがきっかけで、シュピールツォイク家は代々男性を当主に据えるという暗黙のルールがある。
そのせいで私は両親から罵倒され、玩具のように、操り人形のように日々を過ごすこととなったわけだ。
…いけない。
当時のことを思い出すと、思わず溜息が出そうになる。
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