【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第5章 California Poppy -拒絶しないで-
私はシーツを握り締め、蘇る負の感情に耐える。
「私はいつだって父に言われて、父と同じくらいかそれ以上の方のお相手をしてきました。嫌と突っぱねる度胸もなくて…自分の中に悲しみと憎しみを抱えたまま…まるで人形のように生きてきました。このまま一生飼い殺しなら生きる意味なんてないと…死にたいと思っていました」
シーツを握り締める手が緩まる。
この醜い感情を、あなたが浄化してくれた。
「でも、彼が殺してくれました。私が恨んでいた全ての人間と…憎悪という汚らわしい感情を…。だから感謝しています。私を真っさらにしてくれた…。それだけだったんです。それだけの…はずだったのに…」
「なのに?」
「また会いたいと…なぜかそう思いました…。だから私…彼から『会いに行こうと思ってた』と言われた時、本当に嬉しかったんです」
彼のことを想うと、自然と笑みがこぼれた。
_