【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
「何で泣いてるの?オレのせい?」
「いえ…安心したんです…。嫌われたかと思って…」
「オレが?キミのことを?」
私が涙を手で拭い、笑って頷いた。
…わかってる。
あなたのその深淵のような黒い目を見ればわかる。
私に対して好きとか嫌いとか感情がないことがーー…
「ふぅん。ところで…」
イルミ様が私の右腕を指差す。
「もう治った?」
じっと私の目を見つめて首をかしげるイルミ様。
イルミ様を見つめ返すと、深い闇のように黒い眼に私だけが写る。
「はい。もう治りかけですわ」
私がイルミ様の瞳の中で笑う。
「触ってもいい?」
「えぇ」
また私に尋ねてくれる…。
イルミ様の手が助けてくださった時のように、私にそっと触れる。
あの時もあなたに触れられても、気持ち悪いとも怖いとも思わなかった。
今もそう。
何でなのかわからないけど、大丈夫だと思ったの。
痛かったけどその痛みも和らいだ気がしたの。
なぜかしら?
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