【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第16章 Katakuri -寂しさに耐える-
Prrr…
Prrr…
「んぅ…」
枕元で電話の音がする。
眠くて目が開けられない…。
カーテンから少しだけ朝日が差し込んでいる。
眩しい…。
私は1人のベッドに潜り込み、手だけ出してスマホを取る。
ろくに画面も見ずに、私はスマホを耳に当てた。
「はい…もしもし…」
寝起きでしゃがれた声を絞り出すも、光を嫌がる眼は閉じたまんまで応答する。
「あ、やっと出た」
この声ーー…
「時間取れたから電話したよ、リリィ」
「イルッ!!!」
一週間ぶりに聞く大好きな彼の声に、嬉しくて思わず跳ね起きる。
「その声は寝てた?」
「うふふ。でも起きちゃった」
「リリィに電話しなきゃと思って、何も考えずにすぐかけちゃった…」
「いいの。嬉しいわ。ありがとう、イル」
イルが電話越しに笑った気がした。
「おはよう、リリィ」
「えぇ。おはよう」
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