【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-
不思議な背中…。
たくさんのものや人と出会っては別れて…。
大切なものを失っても前に進める強さを持ってるように見えて、本当は寂しさも感じてる…。
繊細な人。
支えてあげなきゃとさえ思わせる、そんな背中。
「あなたとはまた会えそうな気がする…」
「え…?」
彼が颯爽と振り返る。
本を見せながらふわりと美しい笑みを浮かべた。
「この本のようにならなくて良かったな、リリア・シュピールツォイク」
「!」
何で…私の名前、知ってるの?
「きゃ…!」
強い風が一瞬吹き荒び、私は思わず目を閉じる。
「あれ…?」
まぶたを上げると、そこにはもう…彼の姿はなかった。
優しい微笑みだけを残し、彼は夜の闇に消えてしまった。
まるで幻を見せられたみたい。
不思議な人に不思議な体験をさせられた…のかな?
だって、辺りを見回したって本当にどこにもーー…
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