【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-
「救いようのないお話ですね」
「そうだろうか?俺は自分の愛する人が死んだ現実を突きつける方が酷だと思う。だったら…知らせない方がいい」
優しい人。
残酷な真実よりも誰も傷付かない嘘を選ぶのね。
「そうですね…。でも、私が主人公の立場だったら知りたいです」
「なぜ?」
不思議そうな彼に、私はちょっとだけ微笑んだ。
「愛する人が死んだとわかったら自分も死ねるから…」
「そうか。そういう発想はなかったな。運命共同体と言ったところか」
彼は顎に手を当て、夜空を見上げて呟く。
「生きているより死ぬ方が楽なことなんて、世の中にいくらでもあるからな…」
「えぇ。その通りです。本当に…」
私も彼と同じように、明るい都会でも一生懸命に輝く星を見る。
不安になる。
あなたは私の前から突然、いなくなったりしないわよね…?
私の知らないところで、星になってたりしないわよね?
約束、守ってくれるものね?
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