【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-
「待ち人ですか?」
急に声がし、びっくりしてそっちに振り向く。
いつのまにか私の隣に座っていた、若い男の人。
彼は本を片手に読みながら顔も一切向けずに私に問いかけてくる。
少し長い黒髪を下ろし、文字を忙しなく追う儚げな黒い瞳。
耳には深い翡翠色の丸い大きなイヤリング、額には十字の刺青。
あなたみたいに綺麗な顔をしてる。
黒のパンツスタイル、薄い青色のインナーの上に白シャツを羽織って、爽やかで知的な大人の男性って印象。
「どうしてわかるんですか?」
悪い人には見えなくて、私は彼の質問に質問で返した。
彼はちらりと私を一瞥する。
「しきりに時計を気にし、周りをキョロキョロしていて落ち着きがないからだ」
…すごい。
本読みながらだけど、よく人のことを観察してるのかしら。
「…えぇ。その通りです。あなたはその本を読むためにここに?」
「あぁ」
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