【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-
あなたと約束を交わしてから2週間後、私は夜のヨークシンシティにいた。
あなたからメールで指定されていた広場では、大きな噴水がキラキラしてる。
透明な水が花のようにカラフルに色付き、リズミカルに飛沫を上げて落ちる。
この水の音が、会いたくて焦る私の心を落ち着かせた。
ベンチに腰をかけたまま、私はあなたを待つ。
真夏の夜7時はまだ明るく、子供はいなかったけれど人通りはあった。
時が経つごとに夜の帳が下りてきて、噴水で遊ぶ水の輝きがより一層増す。
時計台を見上げ、時刻を確認しては今か今かとあなたのシルエットを探す。
時計の針がこくこくと時を刻み、ベンチに座ってからもう4時間は経った。
あなたは来ない。
それでも、私は待ち続けると決めた。
だって、あなたは約束を守ってくれる人だから。
「はぁ」
時計を見ながら立ち上がって周囲をぐるりと見渡しても、あなたの姿はない。
私はすとんと、またベンチに腰を下ろした。
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