【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第1章 Yellow Geranium -予期せぬ出逢い-
何も考えない。
何も感じない。
早く、終わって…。
「こっち見ろ。こーんな別嬪なんだからよ。綺麗に整った銀髪、エメラルドグリーンの瞳、ピンクの唇と頬、色白で吸い付くように滑らかな肌。自分から見せて俺に媚び売らねぇでどうすんだ?あ?」
薄い天蓋カーテンのついたベッドの上で、ゲイルが私に跨り、一心不乱に腰を振る。
この行為が早く終わればと、ただそれだけを考える。
悲鳴も嬌声も上げず、ただ言われるがままにゲイルを見つめる。
何も考えない。
考えれば、悔しさと涙が溢れるから。
何も感じない。
感じれば、何でこんな男にと嫌悪感で苦しいし、痛いなんて言った暁にはこの男を喜ばせてしまう。
この男ー…権力を欲しいままにしているこの大物政治家に私は嫁いだ。
父の命令だった。
いい年して好色家で欲にまみれただらしのない最低な男。
こんな男の相手を、今までに何人も何人もしてきた。
嫁いでからはこの男に毎日のように体を汚されてる。
横を向いて大きな窓の外を見る。
もう夜か。
朝から天気、悪いなぁ…。
まだ嵐のように大雨が降って雷もピカッと光る。
遅れてやってくるゴロゴロと唸るような音もすごい。
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