【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第14章 Pink Tulip -愛の芽生え-
「あなた…!」
女がオレに気付き、汚れて少しボロッとなってる男の高級スーツの裾を引っ張る。
男も焦ったように振り返る。
「もう鬼ごっこは終わりだね?逃げ場ないし」
オレの両脇で、後からぎこちない動きで来た針人間2体がサブマシンガンを向ける。
「頼む!」
ターゲットが女の前に出る。
なにそれ。
かばってるつもり?
「彼女だけは見逃してやってくれないか!?」
必死の嘆願。
頭を地面に擦り付けて土下座ねぇ。
命乞いよりは上出来だけどーー…
「ダメだよ。オレの顔見られてるし」
男はぎゅっと拳を握りしめる。
怒ってる?
それとも悔しい?
でも仕方ないよね、仕事だから。
「あなたが死ぬなら私も死ぬわ」
…え?
結局死ぬの?
「約束したでしょ?一緒にいられるならどんな障害も壊して、それでもダメなら…って」
男が女を見上げると、女は男を抱きしめて笑った。
_