第13章 White Margaret -恋の行方-

｢旦那様は世間体や面子をとても気にされるお方でした。おもちゃは子供に夢と喜びを与える。そのおもちゃを製造するトイメーカーの当主が子供を…お嬢様を文字通りおもちゃのように扱っているとバレたら、イメージダウンどころの騒ぎではございません。破滅を招きます｣

｢ふぅん。ま、シュピールツォイク家にとっては死活問題だよね｣


イルミは壁に背中を預け、腕を組みながら話を聞く。

ベラードもフランシスカのベッドの隣にあった丸椅子に腰を下ろし、話を続けた。


｢旦那様の元からお嬢様が逃げたとあれば大問題。一切合切の情報が外に漏れないよう、旦那様は持っている権力と財力を使い、血眼でお嬢様を探し出し、お嬢様は二度と陽の目を見ることがないことは明らかです｣


フランシスカは恐怖からか唇を小刻みに震わせながら言葉を懸命に紡いだ。


｢旦那様の元から…シュピールツォイクからお嬢様を解放できるとしたら、本当に…もう、旦那様を殺すしか…｣


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