【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第11章 Lily of the valley -幸福の再来-
「イル…っ!」
私はイルをぎゅっと抱き締める。
愛おしい…。
あなたがこんなにも愛おしかったなんて。
「オレを抱き締めてもあったかくならないよ」
「そんなことないわ…。昨日だって水をかぶった私を抱きしめて…温めてくれたじゃない」
すると、ゆっくりとイルの両腕が私の背中に触れる。
「あれはキミの唇が真っ青だったから…。オレはそんなにあったかくない。キミが思うよりもずっと冷たい人間。けどーー…」
イルが私をきゅっと抱き寄せ、私の頭を肩に寄せた。
「次はもう少し…あったかくいようと思う」
その言葉を聞きながら、私はイルに身を任せるようにそのぬくもりを享受する。
男なんて信じないと思ってた。
でも、あなたなら…信じてみようかな。
「私には…十分過ぎます」
「そう?キミの方がよっぽどあったかいよ、リリィ」
「なら…それはあなたのおかげね。あなたが私を助けてくれたおかげで、こうしていられるんだから…」
私たちは互いの体温を求めるように抱き締め合う。
あなたは…初めて私が、心から好きになった人ーー…
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