【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第11章 Lily of the valley -幸福の再来-
「傷つけて申し訳ないと思ってる」
スマホから声が聞こえて来る。
本物だ。
本物の…アリア・ルジュエだ。
「私はあんたの腹違いの姉。あんたを狙ったのは遺産が欲しかったから、というのは嘘じゃないわ。第一は…母と私を捨てた父親を苦しめてやりたかったからよ。でもね、こんなことやっても私が救われることはない」
「私はあなたを恨んでません。謝罪が聞けただけでも十分でーー…」
「私はあんたの前から消える。危害を加えるつもりもない。もう二度と会わないことでしょう」
「まっ、待って…!」
「さようなら」
ブツンと無機質にビデオ通話が途切れた。
なんだか…随分と一方的で会話ができた気がしなかったけど、これで良かったのかな。
「今のでわかったでしょ?殺してないよ」
イルミ様はスマホを再びポケットにしまう。
「はい…。ちょっと淡白でしたけれど…。でも、これでまた平穏な日を送れます!」
アリアは生きている。
私たちも生きている…。
本当に良かった…。
一番望んでいた結果になることができた。
それもこれも…全て目の前にいるイルミ様のおかげ。
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