【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第10章 Plumeria -内気な乙女-
「それはご出立前に仰っていたお知り合いの方のことですか?」
「えぇ。なのでもう何も心配はいりません。安心してください。私も明日には帰りますわ」
でも、それからベラードは何か考えているようで数秒返事が滞った。
「ベラード?」
「…お嬢様、一つよろしいですかな?」
「えぇ。何でしょう?」
「お嬢様がそこまで信頼を置かれる方とは、一体どなたなのですか?」
「どなたか…ですか…」
私はイルミ様の方を見上げて、名前を出して良いものなのか目で訴える。
すると、イルミ様は察してくれたようで、仕方なさそうに目を閉じて頷いた。
「イルミ様…イルミ・ゾルディック様ですわ」
「ゾ……」
「ぞ?」
「ゾルディックですとぉおおおお!?!?」
電話口から突風が噴き出すような絶叫に、思わず耳を離してしまう。
耳が…キーンとする…。
「お嬢様!いけませんぞ!!いつからそんな裏の人間と関わりを持つようになってしまわれたのですか!?」
「べ、ベラード、落ち着いて…」
あまり大きな声を出したらイルミ様に聞こえちゃう…!
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