【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第9章 Tutsan -悲しみは続かない-
「…あの、それ以外何て言ったら良いのかわからないんです…」
すると、イルミ様の手が私の頭にそっと乗り、また優しく抱き締めてくれた。
「何も言わなくていい。黙ってオレに抱き締められていれば…それでいいよ。寒いとうまくしゃべれないでしょ?」
私は思わず腕をイルミ様の背中に回す。
イルミ様も私を受け入れて、私の冷たい体をまたぎゅっと抱きしめてくれる。
「あったかい…」
私はそのまま彼の胸に顔を埋め、ぬくもりに寄り添う。
「別れる前に言いたかったこと、今言うよ」
イルミ様は私からゆっくり体を離した。
「オレは殺し屋だ。オレがキミを傷つけた人間を全員始末する。でもこれは依頼でもないし、ましてやキミの意思でもない。ちゃんとキミを元の生活に戻してあげる」
依頼でも…私の意思でもない…。
そんなふうに言ってくれるなんて…あなたはなんて優しい人なのでしょう…。
それに引き換え、私はなんてずるい人間なのでしょう…。
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