第8章 Water lily -信頼-

｢ただ怖くて…心細かったから…っ、あなたに会いたかった…。自分じゃどうしようもできなくなってしまったから…助けてほしくて…っ。他の人じゃない…あなたに助けてほしい…っ。だからまたここへ来てしまいました…っ｣


話している内に、どんどん頬に涙が伝い落ちる。


｢助けてください…っ。お願いします…っ、イルミ様…っ｣


迷惑ばかりかけて、都合のいいことばっかり言って……ごめんなさい…っ…。


｢そっか｣


それだけ呟いたイルミ様は私の頬にそっと触れ、涙を拭ってくれた。


｢イルミ、様…？｣


涙に濡れたままの瞳で見上げると、彼は一度目を閉じ、ふぅと息をついた。


｢本当は面識あるオレだと頼みやすかったからとか、そんなもんだと思ってたけど｣


イルミ様が仕方なさそうに少しだけ笑う。


｢本当にキミっておかしな子だよね…。仕事の依頼以外でオレを頼ろうとするなんてさぁ。誰もいないよ、そんな人｣


イルミ様はそう独り言を呟いた後に、私の目をしっかりと見据えて言う。


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