第8章 青色の出逢い
国見side
体育館に向かっていると他校の女子が男2人に話しかけられていた。
連絡先を聞かれてた。
あれはサッカー部か。
相変わらずチャラいな。
そう思い様子をうかがっていると・・・
“サッカー”と聞いた瞬間にビクッと怯えたように見えた。
“サッカー部だけど”と男が答えると、焦って逃げようとしていた。
それを無理やり腕を掴んでいるのが見える。
次の瞬間、腕を振り払っていた。
あ。ヤベーな。
遠目からも男達が怒るのがわかった。
急いでその場に向かう。
「なにしてんの?」
近くまで行き、俺が声をかけてみる。
金田一も後から来る。
女の子に視線をやると体が震えていた。
俺らがサッカー部の奴らに言うと焦って逃げて行った。
金田一とは知り合いらしい。
金田一が”大丈夫か”と聞くとお礼と自己紹介をされた。
“神崎夢杏”そう言うと俺に引きつった笑顔を見せた。
怖かったくせに。無理しなくていいのに、なんで笑ってんだよ。
そう思い、俺は震えている夢杏の手を握った。
冷たかった。相当、怖かったんだろう。
手を握ったからだろうか、今度は安心したようにフワッとした笑顔を見せた。
―ドキッ
あ。ヤバい。
そう思った俺は夢杏に
「また後で」と残し体育館に急いだ。