第1章 寝癖
=おつまみ=
すごく怖い夢を見て目が覚めた。
しっとり汗をかいてて、首筋を袖で拭う。
襖の隙間から光は見えない。外はまだ暗いんだろう。
寝返りを打とうとして気がつく
前の合わせに何かが突っ込まれて身動きが取れないことに
半分夢の中でそれに触れる
筋肉質で温かい
ーゆき……ー
軋む目を開けた視線の先
私の胸に手を突っ込んで眠っている幸村がいて
胸の先端を指の間に挟んで
そのまま眠ってる
幸村が眠っている間にその腕を退けても
気がつくと胸に触れて眠ってる
違和感が全くなく
ごく自然にするりと入り込んで
やわやわと胸を揉んでは
気持ちよさそうに眠ってしまう
私だけが知ってる
彼の寝癖
愛おしくて仕方ない
二人だけの秘密
おやすみ、幸村