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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第7章 Heaven or hell


『でかしたな、雅紀。それでこそ私の息子だ』


あぁ、またこの夢…

父さんに認められる事。それが俺の全てだった
テストで学年トップを取っても99点なら貶され
100点なら当たり前だと言われて。
それでも褒めて欲しくて
笑顔を向けられたくて
頭を撫でられたかった、小学生の頃の俺



『褒美をやろう』



中学入試の情報開示で、満点ではなかったもののトップで合格した事が解り、新入生代表として挨拶する事が決まったのでそれに対してご褒美をくれるという

キラキラと瞳を輝かせて、父さんの言う“褒美”が何なのかとワクワクしていたんだ
馬鹿だね、俺…
この先に待っているモノの存在も知らずにさ


お抱えの運転手付きで、父さん専用の黒塗りのベンツに乗って向かった先は高級ホテルだった



『ご褒美ってここにあるの…?』


『あぁ、そうだ。
一種の社会勉強だな』



父にとっては社会勉強が褒美なのかと落胆する
仕事人間だから仕方ないのかな…



『ここからは一人で行け。
三時間後に迎えを寄越す』



それだけ言うと父はそのままエレベーターで下階へと降りてしまった

最上階に一人取り残された俺は
廊下の一番奥の扉に向かって歩き始めた
そこが地獄の入り口だという事も知らずに。
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